今回は、けっこうニッチなテーマ。
リアルフードキッチンでは、小麦を完全に排除していません。
むしろ、積極的に取り入れている方だと思います。
健康家庭料理というジャンルを掲げているのになぜ、小麦を完全に排除していないのか?という話です。
種明かしとしては、
精製穀物を避け、精製度合いの低い穀物に切り替えています。
小麦で言えば、
全粒粉パスタ・全粒粉小麦・全粒粉うどん・全粒粉そうめん・ライ麦・10割蕎麦
に変えています。
テーマは小麦
特に今回取り上げたいのは、小麦。
グルテンフリーが注目を浴び、皆さんのまわりでも、
「私はグルテンフリーなの」っていう主張を耳にしたことがあるかもしれません。
リアルフードキッチンでは、
小麦が身体に悪いとか、そいう観点ではないんですね。
歴史的に見ると、人が小麦を食べてきた1万年の実績があるそうです。
ここで疑問。
なんで近代になって、というかここ数十年の内に、
小麦に対しての悪い評判が広まっているのか?
本題
もったいぶってもしょうがないので、本題。
加工技術の進化により、精製小麦は粒度が細かすぎて、小腸でほぼ吸収されてしまう。
昔なら、石臼びきのため、自然と全粒粉だった様です。
製粉業者が全粒粉を流通させる時の問題点として、
胚芽(変質しやすい脂肪を含む部分)があることによって、
小麦を新鮮に保つのに苦労したそうです。
胚芽を取り去れば、小麦粉の貯蔵期間を限りなく延長できる事に製粉業者が気づき、
真っ白な小麦粉が主役になった様です。
「美味しいから良くない?」という意見もありますが、
この不自然に粒度が細かい小麦の場合、
ヒトの消化酵素によって糖となり、ほとんどが小腸で吸収されてしまう。
これが、粗い小麦粒子であれば、消化酵素が分解しきれずに、
炭水化物の一部が大腸に到達し、腸内細菌の餌になる。
つまり、美味しさや品質の安定を重視する代わりに、
昔は自然に摂れていた腸内細菌への餌が、
全く取れない状況になったのです。
腸内細菌たちは餌が枯渇して飢えに飢えています。
これが不調の要因の1つだと捉えています。
リアルフードキッチンのスタンス
リアルフードキッチンのスタンスとしては、
精製小麦を避け、
昔の人に習って、腸内細菌の餌になる食物繊維を含む形の小麦=全粒粉小麦にしよう。
としました。
とは言え、小麦に偏りすぎると、体調に影響する可能性もあるので、
小麦の種類も変えています。
うどん、そうめん、パスタ、ベーグルなど。
1週間の食事イメージだと、
7日間ある内の3日ぐらい精製度合いの低い穀物の日があるイメージです。
1週間の多様な食物繊維摂取の1例
- 1日目(月):昼食:もち麦+39穀米 夕食:もち麦+39穀米
- 2日目(火):昼食:もち麦+39穀米 夕食:もち麦+39穀米
- 3日目(水):昼食:ライ麦100%パン 夕食:もち麦+39穀米
- 4日目(木):昼食:ライ麦100%パン 夕食:全粒粉うどん
- 5日目(金):昼食:もち麦+39穀米 夕食:全粒粉そうめん
- 6日目(土):昼食:もち麦+39穀米 夕食:もち麦+39穀米
- 7日目(日):昼食:全粒粉ベーグル 夕食:もち麦+39穀米
全粒粉小麦やライ麦100%を取り入れることによって、
効率的に食物繊維量を増やせるんです。
ちなみに、小麦製品を全粒粉に変えていくというやり方は、
厚生労働省のHP、e-ヘルスネットでも推奨されています。
好きなものを否定しているわけではないですよ。
もちろん、ラーメンが大好き!サンドイッチが大好き!というのもわかります。
それを食べるな!という話ではありません、決して。
ですが、食物繊維量という観点からみると、
かなりもったいない選択なんですよね。
現代食の問題点と提案
現代の食生活だと、食物繊維量がかなり減っている※1ので、
基礎となる毎日の食事を食物繊維量を増やし、ベースアップ。
楽しみとして、お好きなものを食べるのはどう?という提案です。
人間、好きなものも繰り返し食べると、飽きてしまうものです。
1950年頃には一人あたり一日20gを超えていましたが、穀類・いも類・豆類の摂取量の減少に伴い、減少傾向にあります。最近の報告によれば、平均摂取量は一日あたり14g前後と推定されています。厚生労働省策定の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、一日あたりの「目標量」(生活習慣病の発症予防を目的として、現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量)は、18~64歳で男性21g以上、女性18g以上となっています。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会
日本人の食事摂取基準(2020年版)
第一出版,2020.より
リアルフードキッチンがおすすめ
ということで、リアルフードキッチンでは、
素材そのもをシンプルに調理し、高食物繊維だけど、
簡単・美味しい・楽しそう!な食卓を提案しています。
高食物繊維を扱うレシピサイトって他にあります?
いや、たぶんうちだけですよ。
今、この瞬間だけを満たす食ではなく、
腸に届き、今日と明日を作る食を提案しています。
参考書籍|「腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方」
著者:ジャスティン・ソネンバーグ エリカ・ソネンバーグ 翻訳:鍛原多惠子
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